タイトル未定

NEWS中心に忘れたくないことを

NEWS「NEVERLAND」の感想と妄想

お題「NEWS「NEVERLAND」レビュー」先日発売されたNEWSのアルバム「NEVERLAND」一度聴いたら感想を書こうと思っていたがそんな簡単なアルバムではなかった。知らない間にNEVERLANDへ導かれ、アルバムの終わりと共に帰ってきた。このままではただひたすらに凄かったという誰にも伝わらないレビューになってしまう。何度か聴いて、やっとに自分のなかで咀嚼し始めたのでこの辺りで感想をまとめておく。音楽の知識がないので、曲の感想というより徐々に曲のイメージで妄想を膨らましていてもうよくわからないものになっている。

1.“The Entrance”

夢の場所に向かう導入として完璧だ。ワクワクする可愛らしい曲と穏やかなナレーションの声がいい。ナレーションの終わりからあえて数秒あけることで次の曲であるNEVARLANDとこの曲が喧嘩せずに繋がる。きっとこの数秒間で鍵をあけたのだ。

2.NEVERLAND

鍵をあけて気がつくと暗闇の中で船に乗っていた。僅かに見える炎と聞こえてくる音を頼りに船を降りてジャングルを彷徨い、そこで見たものとは……!!!

NEWSが確かにそこにいるのに、この曲の主人公は確実に聞き手だ。聞き手が観客として外から世界を見るのではなく壮大な音楽とともに物語の中に引き込まれる。これを最高と表現せずなんと表せばいのだろうか。

3.アン・ドゥ・トロワ

 思い浮かべるのは窓から見える白い外壁とピンクと紫の中間のような淡い色の屋根を持つ時計塔。かわいらしくて爽やかな曲調にさすがNEWSと言うべきか直球な歌詞。

「視線あわせる 僕に気づいてる?」このパートを小山さんに歌わせることにした人と固い握手を交わしたい。あざとかわいい小山さんの魅力がこの15文字にこれでもかと凝縮されている。かわいいのに子どもじみていない大人の余裕とズルさを感じさせる小山さんが大好きです。

手越さんがひとりで歌う1番終わりの「アン・ドゥ・トロワなLove」は大正解だ。個人的に手越さんの歌声はいやらしく聞こえないという魅力があると思うのだが、このパートが手越さんであることで明るくポップな曲調を加速させる。

2番サビの「このままで アン・ドゥ・トロワ!」のアン・ドゥ・トロワ!が1番と比較すると人数が減り、澄んだ力強い声になっている(おそらく加藤さんのみ?)視線に気づいて僕に近寄ったためにひとりの声がクリアに聴こえるそんな場面が想像できる。

舞踏会で目があい、お互い決して本気にならないことを楽しんで一夜を過ごす。余裕たっぷりな大人の世界がそこには存在していた。

 4.EMMA

シングルが発売されたときはまだブログを始めていなかったので遅れながらこのタイミングで単体の感想を書く。まずイントロがとにかくいい。ズンズンという音とともに自分の中でテンションが上がっていくのを感じる。この高揚感こそ音楽を聴く楽しさの一端を担っているのだろう。

この曲のMVPを私が決めるのなら増田さんに贈りたい。大サビの増田さんに完全に惚れました。EMMAの名前を3回繰り返すだけなのにこれほど表現が違うのかと驚かされる。悲しみ、後悔の混ざった愛情、決別、この後彼はEMMAに殺されるのかEMMAを殺すのか、わからないけれどもう二度と会うことはないだろう。

アン・ドゥ・トロワとは対をなすように、EMMAは大人の曲であるのに余裕を持ちきれない男の話のように感じる。全く別の物語なのにこの2曲が関連しているようで非常に面白い。

5.“7 Elements”

強すぎる世界観を持つEMMAから引き戻すように配置されたこの曲で自分がNEVARLANDにいたことを思い出す。水色の近未来的な建物で風が吹くように流れる音楽が心地いい。

6.Brightest

ブリキの山でチカチカと瞬く光が眩しい。恋の輝きを歌っているようでどこか哀愁が漂っているのはネバーランドが夢の世界だからだろうか。覚めない夢の住人と鍵をあけて現実からやってきた者、輝いてみえるのはいったいどちらなのだらう。紙を丸めるようなパリパリとした音が夢の終わりを予感させる。

7.Silent Love

「きっときっとこれで良かった ずっとずっと恋のまま」愛を伝えなければずっと綺麗な恋のまま自分の中に残り続けるから、それで良いのだというこの歌詞がひたすらに切なくて美しい。

またまたこの曲の増田貴久が凄い。もういっそ恐怖を感じる。序盤の薄暗いボルドーのイメージからサビでやや明るさを取り戻したはずが、増田さんのパートで後悔が混じる灰色の記憶が呼び覚まされる。似た歌割りのSnow Danceでは増田さんが手越のインパクトが強すぎる(意訳)と言っていたけれど、この曲では増田さんの声が強く、モノクロの幸せだったかつての記憶に支配されてしまう。

8.恋を知らない君へ

この曲はどうしても時をかける少女の印象が強いけれど、全ての曲を繋げて考えるのならばBrightestで恋に気づいてSilent Loveで恋のままでかまわないと心にしまったはずの思いをいっそ恋をしなければよかったと否定してしまう。4人の声が目立つシンプルな曲だからこそ、心が刺さって苦しくなる。

きっとこの3曲はネバーランドの住人の心で、NEVARLAND(曲)から物語を通して考えると鍵を渡してやってきた者とわずかの間楽しく過ごすつもりが気づけば本気になってしまい一緒にいる時間が永遠でないことをわかって恋心を消そうとする。痛みを伴っているからここまで尊い美しさを感じるのだろう。

9.“Nevarland Cast Members”

ここで視点が主人公である聞き手に戻ってくる。「この一緒にいる時間を大切にしてください」この言葉でこの世界に永遠にはいられないことに気づく。

10.ミステリア

“Nevarland Cast Members”からの間髪をいれないつなぎ方が素晴らしい。「奇跡を作り出す場所だから」この台詞直後の幻想的な出だしの一音が、実際に奇跡を生み出してくれそうな予感がする。

笛のような音が入っていることでゲームの戦闘でのBGM感が増しテンションが上がる。暗闇のステージで強い風が吹き荒れる中、化け物に対峙するシーンが頭に浮かぶ。Mr.モンスターは現実に置いてきた消し去りたい自分なのだろう。窓の外はまだ夢の世界で美しいままだが、いつまでもここにいられないことに気づいたことで忘れていた現実が暴れ出し夢の世界がくずれていく。

「それでも陽は昇らない」手越さんのもつポジティブなイメージからかけ離れたこの歌詞を彼が歌うことで自身と向き合ってこい、と突き落とされた気がする。

 この曲を5つの駅をすぎた6つ目のエレメントだと仮定すると「魔」にあたると思うが、本来「魔」という字は悪しきもののイメージが強い。しかしネバーランドでは「魔」は不可能が無いということを教えてくれるエレメントだ。ミステリアがいることで不可能が無い自由を手に入れられる。苦しんで、消してしまいたかった自分を許し怪物は狂気から自由の化身へと姿を変える。

11.BLACK FIRE

この曲に関してはロックを全く通らず生きてきた者として、ただひたすらにかっこいいとしか言えない。ふだんNEWSにはかわいいと言いまくっているけれど、やっぱり彼らは最高にかっこいい。出だしの手越さんの歌声にやっぱりこの人の歌は上手いと打ちのめされていたら、加藤さんに後ろから刺された。加藤さんがこんなにも高らかに歌いあげる。感動とよくわからない感情で爪が刺さって痛くなりほど拳を握りしめていた。

 ミステリアで自分を許して内包することで自由になれると解釈したけれど、BLACK FIREでモンスターを倒すという解釈の仕方もあると思う。私は弱さも悲しみも自分の感情は全て抱えて生きていきたいと思っているので、どうしてもミステリアを燃やしたくはない。自分に都合良く解釈するなら、BLACK FIREで燃やすものとは目を背け逃げようとしていたかこの自分だろうか。現実と対峙したことで夢の世界に居続けたいと願った自分を燃やす決意をする。力強いこの楽曲はもがいた末の決意の話のように感じる。

12.ORIHIME

この曲を聴くと無心で空を見上げたくなる。夜空に輝く星々に綺麗な思い出をかさねて少しだけ感傷に浸りたくなる。

さわやかなこの曲はネバーランドの住人による過去の回想だろうか。主人公が抱える問題が解決した後は別の登場人物の問題へとスポットがあたるのが自然だろう。

過去に夢の世界へやってきたキミは現実へと帰った後、全て忘れて二度と夢の世界へ来ることはなかった。鍵を見つけてもらわなければ夢の住人が現実に干渉することは許されなくて、彼らはどこかにキミが隠れていないか夜空に呼び続ける。そんな想いを主人公に吐露して彼らの初恋は軽くなって夜空に吸い込まれる。

13.流れ星

初めて聴いたときからアニメのEDテーマのようだと思っていたけれど、物語のEDとしてこれ以上無いほどこの曲はふさわしい。

「また歩き出すよ」小山さんが胸に秘めた決意を教えてくれて背中を見せてくれる。自分も一緒に頑張ることで応援してくれるいつもの小山さんの優しさがつまっている。

「まだ歩けるだろう」未来をひとりで進まなければならない不安な背中を加藤さんがそっと押してくれる。ひとりで歩く恐怖も不安も理解していて、俺もできたからきっと君ならできると慈愛に満ちた声で支えてくれる。

「流れ星、空を渡れ 輝きは希望の証です」手越さんが飛び立つこと鼓舞して辛いときの希望をおしえてくれる。彼はいつだって輝いていて決断したことを否定せず応援してくれる。その手越さんがついていたらどんなことだってできる気がする。

「ずっとずっと僕らの夢を繋ぐのに」どこへ行っても、離れていても夢が繋がってまた会えることを伝えてくれる増田さん。東京ドームを夢の場所と呼び、誰よりも夢の場所で会うことを楽しみにしてくれている。

このパートは別の誰かではなくそれぞれ彼らが歌うからこそ胸に届く。そして4人での「もっと」この言葉を聴いた瞬間別れの寂しさも全て吹き飛んで希望が溢れ出す。箱からキラキラとした光が吹き出して天へと広がっていくイメージが見える。

ご都合主義のハッピーエンドが好きな人間なので、ORIHIMEで過去への想いを告げたことで主人公が過去にネバーランドを一度訪れていたことを思い出す展開なら嬉しい。あのときは忘れてしまったけれど思い出したこと、今度は忘れずに再会することを誓って現実へと帰る。少しだけ切なくて美しい夜空が似合うすばらしい曲だ。

14.“The Grand Finale”

 送り出されてたどり着いた場所は扉の前で、今までの旅が夢か現実かわからなくなるけれど手にした鍵が事実だったのだと教えてくれる。この鍵をもっている限りNEVARLADNをいつまでも忘れないだろう。どうか未来の私がこの鍵を持ち続けていますように。

15.U R not alone

ずっと夢の中の旅に出ていたがこの曲は現実だ。現実に帰ってきた主人公がネバーランドで手に入れた強さで戦いながら生きていくエピローグ。

初めて聞いたとき私はそんなに強くは生きていけない気がしてボロボロに泣いたのだけれど、全曲こうして思考をまとめてから聴くと強くなった気がするから不思議だ。私ならできるんじゃないか珍しいほどポジティブな気持ちがわいてくる。

NEVERLANDはある種の現実逃避を含んだ夢の物語が始まりだと考えるが、彼らとわずかな時を過ごすことで自分自身と向き合い、帰ってくるときには希望と勇気を手に入れて未来を生きる強さが身に付いている。鍵がある限り何度だってネバーランドにいって強くなれるのだ。アイドルは常に隣にいてくれるわけではないが間違いなく明日を生きる力をくれる。NEVARLANDの物語がNEWSと結びついているようで最高に嬉しい。

ライブ会場で手越さんに誘導されてこの歌を歌う光景が目に浮かぶ。きっとその空間は幸せに溢れていて、私が見たいと思ったNEWSのライブそのものなのだろう。

16.“To Be Continued.…”

ツアーがとにかく楽しみで仕様がない。遠征できないので私が行けるのはまだだいぶ先だけれど、こんなワクワクを長い間持ち続けられるなんて最高に幸せだ。

ソロ曲の感想も書こうと思っていたが、加藤さんのソロ曲を理解するのにまだ時間がかかるのでとりあえず感想はこれでおしまい。最後まで読んでくださってありがとうございました。